組織にとって、その中で養われた技術や知識を後進に伝えることは、その死命を制する重要事である。蓄積を怠り、毎回ゼロからスタートするというのは、あまりに非効率である。
たくさんの人に指導することは、一見、困難なtaskに見える。しかし、その指導によって最も学ぶことができるのは、指導者自身である。自らが、いかに曖昧な知識を以て満足していたのか。自らの知識不足、理解不足が白日のもとに晒される。人に伝える限りは、あやふやなことを教える訳には行かない、と思う。それが、さらなる調査や探求を強いる。
だから、チャンスがあれば指導を行う。概念をしっかりと伝えること、をその目標に据えている。安易に答えを提示しないで、その道筋をともにたどっていく。その過程に交わされる会話は脳細胞を活性化させる。その刺激がまた楽しい。
空白の1年を経て、さまざまなことが停滞してしまっていたのだが、その後の1年間を経て、ようやく回復の兆しが見えてきたよう。空白からの建て直しを担った人々に対し、敬意を表したいと思う。それに少しでも荷担できていたのなら、空白を招いた責任の一端を負うものとして、少しは罪滅ぼしになるのだが。